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橋本雄太郎「時とともに変わるもの・変わらないもの」

  • ozakitaichidesign
  • 2023年12月3日
  • 読了時間: 3分

 このコラムも諸事情により暫くお休みしていました。また、復活します。

その間、短い期間でしたが、25年ぶりにロンドンを訪れる機会がありました。ヒースロー空港から地下鉄を利用しましたが、相変わらず狭い、汚い。ただ、昔はゾーンごとの1日乗車券を購入していましたが、今はデビッドカードで乗り降りします。25年前はチェック(小切手)が使われており、住まいが決まり、グリーンカードを取得すると地元の銀行に口座を開き、チェックを取得していました。カードやパソコンの普及がヨーロッパ大陸諸国に比べても遅れていました。それが今や、現金を使う機会は殆どなくカード社会に。厭世の感あり。

 大英博物館の北側のロンドン大学の一角にあった研究所は昔のままでしたが、その隣の日本人留学生にはおなじみのSOASは建物もすっかり近代化されていました。大英博物館も展示物は変わらないものの、大英図書館が独立して移転し新しい建物が立ち、見学者であふれていました。当時は北側に自由に出入りできるゲートがあったので、人気の少ない大英博物館内は天候の悪い日の散歩コースでした。今はそういう雰囲気はありません。私には少し残念な気がしました。

 ロンドン西部の旧宅を訪れました。イーリングブロードウエイの駅舎も駅前もすっかり変わっていました。ただ、旧宅と、そこに向かう道は、匂いも含めて住んでいた当時のままで、懐かしい思い出がよみがえってきました。そして、当時娘たちが通っていた現地校は立て直され立派になっていましたが、お目にかかることのできた、娘たちの友達のご両親とは、昔のままのお付き合いでき、昔話で会話も弾み旧交を温めることができました。

 プレホスピタルケアに関しても、とくに救急救命士制度ができて32年。気が付かないまま変わってきたものもあります。救急救命士の処置範囲の拡大に関心が行きがちですが、危機管理としての法律学の視点からすると、救急隊員の気質の変化と、救急出場の事故種別のうち交通事故が激減し急病の占める割合が増えている変化に着目すべきです。すなわち、この2つの変化の対応を疎かにしておくと、消防吏員という公務員に対する民事過失ないし刑事過失犯の構造の考え方の変化との関連で、思いもよらない痛い目に遭う可能性が高くなってきているのです。消防本部、地域メディカルコントロール協議会そして個々の救急隊員は、この点を的確に把握し変化に対応した自己研鑽を積む必要があります。

 何やら謎めいた話を聞いているように感じられていると思いますが、その謎を、1月の塾ではしっかり解説し、安心安全な職場にしていくための方策を提言したいと考えます。時がたっても変わらないものへの対応はこれまで同様続け、さらに、気が付きにくい、時がたつと変わってしまうものについての対応に関しても、怠らないようにすることの重要さ一緒に考え実戦しましょう。


令和6年1月 塾


「気質の変化 と 結果回避義務」

 時代とともに変化する救急隊員の資質の変化を的確にとらえ、また、救急出場の事故種別件数の変化を正確に把握し、変化に沿った対策と考えることの重要さを、民事過失ないし刑事過失犯の構造に関する考え方の変化も踏まえて考えます。安心安全な職場環境にしていくために必須なことは何かを考えましょう。

 

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